はじめに:実家にタダで住んでいたから、遺産を減らせと言われたら?
「長年、親の実家にタダで同居していたのだから、これまでの家賃相当額を遺産から差し引くべきだ」 「あなただけ得をしたのだから、その分、今回の相続でもらえるお金はゼロだ」
親と同居していた相続人に対し、独立して別の場所に住んでいる兄弟からこのような主張がなされ、遺産分割が激しい争いに発展するケースが中野区や杉並区でも急増しています。 法律上、親から生前に受けた特別な利益を「特別受益(とくべつじゅえき)」と呼び、これを考慮して遺産を計算し直す制度があります。
しかし、親の家に無償で住ませてもらっていたこと(建物の使用貸借)は、本当にこの「特別受益」にあたり、遺産を減らされなければならないのでしょうか? 結論から言えば、相手の不当な主張は、正しい法的論理を用いれば完全に排斥することが可能です。本記事では、当事務所での実際の解決事例をもとに、その法的根拠を詳しく解説します。
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「特別受益」とは何か?
特別受益とは、特定の相続人が、被相続人(亡くなった親)から生前に遺産の前渡しと言えるような特別な贈与(家の建築資金の援助、高額な学費など)を受けていた場合に、相続間の不公平を是正するための制度です。
もし特別受益として認められると、その相続人が本来もらえるはずだった遺産の額から、生前にもらった金額が差し引かれてしまうため、結果として手元に残る財産が大きく減ってしまいます。
だからこそ、遺産分割において相手方は「あれもこれも特別受益だ」と必死に主張してくるのです。
【実際の解決事例】「実家の家賃相当額」を特別受益とする相手の主張を完全排斥したケース
過去に当事務所で担当した、遺産分割をめぐる激しい対立の事例をご紹介します。
相手方は、当方の依頼者が長年親の建物に無償で住んでいた事実をとらえ、「長年の家賃相当額は『特別受益』にあたる。したがって、依頼者の遺産取得分は大幅に減額されるべきだ」と強硬に主張してきました。
これに対し、私は代理人弁護士として、以下の3つの法的根拠をもって真っ向から反論しました。
- 恩恵的要素の強さ: 親族間における自宅の無償貸し借り(使用貸借)は、親の愛情や扶養義務に基づく「恩恵的要素」が極めて強く、そもそも法律が想定する「遺産の前渡し」という性格は定型的に薄いこと。
- 第三者への対抗力の欠如: 借家権(お金を払って借りる権利)とは異なり、無償の使用貸借は第三者に対する法的な対抗力が全くないこと。
- 明渡しの容易さと経済的価値: 対抗力がない以上、いつでも容易に明渡しを求められる不安定な権利であり、借家権のような「独立した経済的価値」は無に等しいこと。
「経済的価値がない以上、家賃相当額が特別受益になることはあり得ない」という法的ロジックをぶつけた結果、相手方の主張は排斥(否定)され、依頼者は不当に遺産を減らされることなく、正当な権利を守り抜くことができました。
特別受益のトラブルは「法的根拠」での反論が必須
「親と一緒に住んで、介護まで手伝っていたのに、家賃分を引けと言われるなんて感情的に許せない!」 そのお気持ちは痛いほどわかります。
しかし、遺産分割の話し合いや調停等の場において、「感情論」は一切通用しません。
相手が「特別受益だ」と主張してきた場合、「そんなことはない」「親の面倒を見たのだから当然だ」と感情で返すのではなく、「なぜそれが法律上の特別受益(遺産の前渡し)に該当しないのか」を、客観的な事実と法的ロジックで論破する必要があります。
少しでも反論を間違えたり、相手のペースに飲まれて合意書に印鑑を押してしまったりすれば、取り返しのつかない大損をしてしまいます。
まとめ:不当な遺産減額を迫られたら、すぐにご相談を
同居に関する家賃請求以外にも、「結婚資金を出してもらった」「孫の学費を出してもらった」など、特別受益をめぐる親族間の対立は非常に複雑で泥沼化しやすいのが特徴です。
兄弟や他の相続人から少しでも無茶な主張をされ、遺産を減らされそうになっている方は、一人で悩まず、中野区・新中野駅徒歩1分の「小野・石田法律事務所」へ今すぐご相談ください。法律のプロがあなたの盾となり、正当な権利を徹底的に守り抜きます。
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